タワーマンションと普通のマンションのリフォーム。違いは何か?

 

こんにちは。「損をしない家の買い方を世の中に広めたい、リノベーションの人」株式会社カラフルライフの清水です。

 

今日はタワーマンションと普通のマンションのリフォーム。違いは何か?をお伝えします。

 

タワーマンション(以下タワマン)の法律的な定義はないようで、一般的に地上60m以上、20階以上の居住用マンションを呼びます。私はこの10年でタワマンリノベーションを20件ほどやってきました。神戸、大阪、西宮、高槻、横浜、さいたま、品川などなど、たかだか20件ほどではありますが、やはり実務者として普通のマンションとの違いは見えてきます。本記事では、タワマンリフォームの特徴について書いていきます。

 

 

本記事のテーマ

リフォーム実務者から見た、タワマンリフォームの共通点

内容:
①タワマンは「チームで管理」決定的に違う管理体制
②大きな搬入用エレベーター、一時停車用スペース。現場にやさしい豊富な“裏”共用施設
③騒音クレームが少ない??周辺空室多しで、近隣挨拶に行ってもほとんどいない…
④戸境壁が石膏ボードも。設計・建設会社の技術と好奇心の粋を集めたタワマンの構造

 

私の略歴です。不動産仲介業、販売受託業、リフォーム・リノベーション業を、個人住宅でのみ、20余年やって参りました。

□不動産仲介業、新築マンション販売を約10年経験
□富裕層向けリノベーション会社にて、統括マネージャーを経験
□関西の中堅リフォーム会社を立ち上げから15億円規模拡大まで経験
□最前線で150現場以上のリノベーションを担当

賃貸、投資物件、商業ビルなどについてはほぼ未経験なのでお話できることはありませんが、個人邸については不動産業、建設業両面からお伝えできると思います。

では現場経験に基づき、リフォーム実務者から見た、タワマンリフォームの共通点について、書いていきます。

 

タワマンは「チームで管理」。決定的に違う、管理体制

マンションリノベーションは管理人さんが大事!ということは、別記事でも書きました。この管理体制がタワマンは決定的に違います。普通のマンション管理人さんは、基本的に一人です。2人体制で時間帯で交代、というところはありますが、こちらの方がメイン、という主・副が分かれていることがほとんど。これに対しタワマンは、経験した棟全てで「防災センター」でリフォーム対応をしており、ここでは3~8人くらいのチームで管理をしています。

参考>> リノベーションのためにマンションを購入する前に前にやっておくべきこと:管理規約調査

住民の人数がすごく多いタワマンは「縦長のひとつの町」。2020年に横浜の馬車道エリアに建ったザ・タワー横浜北仲の新築リフォームをさせていただきましたが、総戸数1,174戸です(!)仮に全室に2人にずつ入ったら2,000人を超える立派な町です。管理人さんひとりでは対応し切れないのは当然で、ここを含め防災センターで裏の対応、受付デスクで表の対応をしているのが一般的です。

ではそれにより何が変わるかと言うと、管理人さんの感覚に任せたルールではなく、会社として、良い意味で画一的な対応に変わると、私は感じています。「これがルール。それを守ってください。以上」で、守っている限りは工事中の3ヵ月間防災センターからほぼ連絡が来ない、ということもよくあります。

これもやはり人数の問題で、住民が多ければリフォーム工事も多い。トラブルも苦情も同様となれば、個別対応ではなくパターン対応になるのは当然、ということだと思います。ですので、完全に主観ですが、工事の申請や挨拶、ルールの順守、常識的な養生など、ちゃんとやる会社にとっては、タワマンはリフォームがしやすいと私は感じています。

大きな搬入用エレベーター、一時停車用スペース。現場にやさしい豊富な“裏”共用施設

タワマンを購入する理由のひとつとして、眺望と同じくらい、「共用部が充実している」ということを挙げる方も多いと思います。ゲスト用ルーム、フィットネスなどの表の共用施設以外に「裏の共用施設」があるのをご存知でしょうか?

とりわけリノベ―ションにおいて、長い木材などの搬入、解体工事後の搬出は、大きな関心ごとです。タワマンは建築途中から最大の問題。クレーンで最上階まで、が使えないので、考えれば当たり前です。ですので、引っ越し屋さん、コープさん、Uberさん、我々リフォーム屋さん専用の、何でも入るでっかいエレベーターが、裏口から使えます。

普通のマンションでは高さ2.3mまでしかないところが3m。奥行2mしかないところが2.5mなど、「これエレベーターに乗るかどうか不明…!」ということがほぼ無い。しかも業者用エレベーター、住民さんも自転車を乗せたりする専用なので、最初から養生がしてあり、傷を付けないように気を付ける必要性も少ない作りにしてくれています。

また、業者用の裏口から入れることで、住民さんとすれ違うことが非常に少なく、工具を積んだ台車に小さいお子さんが当たってケガをする、などのリスクをお互いに減らすことができます。床の養生も最初からなされていることが多く、メイン玄関の床を長距離に渡って養生する必要も無い。

職人さんの移動用、搬入用と、車無しでは成り立たないリフォームにおいて、タワマンの駐車スペースも大きな味方です。来客用駐車場の数が多かったり、クロネコさんや佐川さんも使う30分以内の一時停車用スペースがあったりと、人数が多いタワマンならではの対応準備がなされていることがほとんど。瀟洒な住宅街に建つ低層マンションは大好きなんですが、一時駐車どころか、近隣に全くコインパーキングがないことも多く、大きな業者泣かせポイントになっています。

業者用エレベーター、専用出入口、駐車スペース。大阪のタワマンでは大きな顔で資材を一時置きしておける場所があったり(涙が出るほど現場は嬉しい)と、魅力的な「裏共用部」が揃い、職人さんが緊張する場面が少ない “業者フレンドリー” なのがタワマンの大きな魅力です。SUUMOには掲載されない渋い情報だと思いますが、我々にとっては大きなポイントです。

 

騒音クレームが少ない??周辺空室多しで、近隣挨拶に行ってもほとんどいない…

工事前の御挨拶に伺っても、特に上層階の場合は近隣住民さんにお会いできることが極端に少ないのもタワマンの特徴。私の経験のみの話ですが、特に築の浅いタワマンは、投資用・セカンドハウス用に購入している人が多いのか、5件挨拶して会えるのは2件程度。そのため、騒音のクレームも通常のマンションより少ないことが多いです。

音についてはまた別の理由もあり、コンクリートの床スラブとフローリングの間の空間、天井と上階のコンクリートスラブの間(フトコロと呼びます)をかなり確保しているところが多く、音がそもそも伝わりにくくなっているのだろうと推察しています。

逆にこのフトコロが無いマンションは非常に音が響きやすい。コンクリートに直にマンション用フローリングやカーペットを貼っているところですね。これは普通のマンションもタワマンも同様に、トンカチで軽くコンクリートをたたくだけで、直下階だけでなく、マンションによっては斜めや上階、3階上まで響いている、ということもあります。コンクリートは全てつながっているからです。これは音というよりも「振動」ですね。

タワーマンションでコンクリートに直に仕上げ材が貼ってあり、中央が吹き抜け、言わばドーナツ型になっているタワマンは騒音には特に要注意。「振動」がコンクリートで遠くまで伝わり、「反響音」が吹き抜けを上へ上へと駆け抜けていきます。

 

 

戸境壁が石膏ボードも。設計・建設会社の技術と好奇心の粋を集めたタワマンの構造

国内最初期に建設された埼玉県川口市の55階建てエルザタワー55というタワマンがあります。ネットで検索する限り、初めて大規模修繕をしたタワーマンションで有名なようです。ここの最上階にお邪魔する機会があり、残念ながら成約には至りませんでしたが、現地調査、提案をさせていただきました。

最近のタワマンでは層によって変わりますが、上層階であれば東南、南西、北西、北東と4つに割って販売することが多いと思います。もちろん立地によりますが、一般論として北東が一番価格が高いと聞きます。南西は日当たりが良すぎて暑いんですね。普通は東南の角部屋が高いことが多いです。名古屋市の繁華街に建ったグランドメゾン御園座タワーの最上階も、新築時に全て解体してリノベーション、という話だけ承りましたが、プランを出した状態で終わりました。そうそう簡単には前に進みません。

ちなみにエルザタワー最上階にお邪魔した際、プランを見て驚きました。約225㎡という広さはときどきお目にかかりますが、南面全面で25m面している、東西南の3方角部屋。25mプールの長手側が南、です。「日本で一番いい部屋を造ったろう」という当時の企画者の野心を感じました。こちらには客観的に見て移動不可の防火用の巻取り式シャッターが2カ所に設置されていました。

品川の港湾地区に建つ東京シーサウスブランファーレでは、後にたくさん見ることになるのですが、戸境壁がガラス繊維の入った分厚い石膏ボードでできている現場に初めて遭遇しました。強化されているとは言え、石膏ボードは石膏ボード。壊そうと思えば壊せてしまいます。通常のマンションではほとんど例外なくRC造=鉄筋コンクリートで、マンションの構造躯体のため撤去不可です。共用部である戸境壁ではあるけれども、構造躯体ではない、という、これまでの常識とは違う作り方をしています。重たい鉄筋コンクリートで全部作っていたら、重量が持たないためそのようにしているそうです。

イチリフォーム担当者としては、タワマンの設計に携わることなどもちろんありません。しかしながら、後日に色々な会社の考え方や施工方法を見ることができます。各社の設計・施工の哲学や技術が詰まったタワマンのリノベーションは、普通のマンションでは出会えない工夫に出会える場でもあります。

という訳で、タワマンは裏共用部が充実しているので、リフォームはしやすい!という結論でした。お読みいただきありがとうございました!

 

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カラフルライフ
リフォーム・リノベーション、不動産仲介業、注文住宅営業など、“一般顧客向けの”不動産業・建設業を20年提供してきました。営業、プランナー、デザイナー、現場監督と、幅広く網羅した仕事をしてきています。中古住宅流通+リノベーションの住宅の買い方をするに、せっかくなのでこれまでの経験を知っていただきたく、連載しているブログです。